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1999 年度 実績報告書

赤外差分光法によるヘムタンパク質およびそのモデル系の触媒機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10750645
研究機関福井大学

研究代表者

前田 寧  福井大学, 工学部, 助教授 (60242484)

キーワード赤外分光法 / コイル-グロビュール転移 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / アミドバンド / 水和 / 温度応答性
研究概要

本研究ではタンパク質の熱変性やフォールディングのモデル系として注目されているポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PIPA)のコイル-グロビュール転移のメカニズムを明らかにするために、主に赤外分光法を用いて解析を行った。
PIPAのIRスペクトルの温度依存性を測定すると、LCSTである34℃付近で急激に水和状態に変化が起こった。転移に伴いC-H伸縮振動とアミドIIバンドは低波数シフトし、アミドIバンドは高波数シフトした。また、アミドIバンドは、LCST以下では水と水素結合したC=Oに帰属される成分(1625cm^<-1>)のみからなるが、LCST以上では非水和のC=Oに帰属される成分(1650cm^<-1>が生じた。39℃以上では脱水和されているC=Oの分率はほぼ一定の約13%であった。
ポリ(n-プロピルアクリルアミド)(PnPA)、ポリ(ジエチルアクリルアミド)(PDEAA)、ポリ(アクリロイルモルホリン)(PACMO)のアミドIバンドをカーブフィティング法で解析したところ、N-一置換体であるPnPAではPIPAと同様にLCST以下では水和型成分のみであったのが、LCST以上では高波数側に非水和の成分が生成した。一方、N-二置換体であるPDEAとPACMOではLCST以下でも非水和型を含む2成分であり、LCST以上では低波数側に第3成分が生成した。
また、IPAとイオン性コモノマーであるビニルイミダゾール(VIM)やアクリル酸(AA)との共重合体では、コモノマーのイオン化度に依存してLCSTが変化した。さらに、VIMとIPAの共重合組成とpHを変えて転移エンタルピー(ΔH)とLCSTの関係を解析したところ、塩濃度の等しい場合には同一曲線上にのり、塩濃度の増加に従って低温、低ΔH側にシフトした。塩とコモノマー組成とではLCSTを変化させる機構が異なることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ide, M.: "State of Water inside and at the surface of Poly(ethyleneglycol) Films Examined by FT-IR."Langmuir. 15. 926-929 (1999)

  • [文献書誌] Fukuda, T.: "Stereoselective Inclusion of DOPA Derivatives by a Self-Assembled Monolayer of Thiolated Cyclodextrin on a Gold Electrode."Langmuir. 15. 1887-1890 (1999)

  • [文献書誌] Maeda, Y.: "Vibrational Spectroscopic Study on the Structure of Water in Polymer Systems."J. Molecular Liquids. 80. 149-163 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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