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1998 年度 実績報告書

蛍光法によるポリエチレンオキシドの溶液結晶化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10750647
研究機関福井大学

研究代表者

佐々木 隆  福井大学, 工学部, 助教授 (50242582)

キーワードポリエチレンオキシド / 一次核生成 / 線成長速度 / 活性化エネルギー / 蛍光法
研究概要

本研究は、ポリエチレンオキシド(PEO)の溶液からの結晶化において、結晶化前の溶液の構造と球晶形成機構との関係、高分子-溶媒相互作用の評価、及びその溶媒依存性をミクロなレベルで解明することを目的としている。本年度は、3種類の溶媒トリプロピオニン(TP)、トルエン、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を選定し、それぞれの平衡溶解温度を測定した後、これらの溶液からの球晶形成速度やモルホロジーを検討した。その結果、以下のような新しい知見を得た。
PEOの溶解温度よりも充分高い温度で約200時間真空中で加熱溶解した溶液(PEO濃度30wt%)について一次核生成速度をしらべたところ、一次臨界核生成自由エネルギーが異常に小さくなった。これは、熱処理後の溶液中においてもミクロなレベルでは完全に均一な溶解状態になっていないために、一次核生成が起こりやくすなったためと考えられる。このような不均一な構造の大きさは、一次臨界核と同程度であると推測されるが、これは球晶の線成長速度の測定から得られた表面自由エネルギーより数十A程度と見積もられた。
球晶の線成長過程におけるPEO鎖運動の活性化エネルギーは、トルエン中の方がTP中よりも一桁大きくなり、PEO鎖の運動モードが溶媒により大きく異なることがわかった。
DMAc溶液から得られた球晶は、輪郭がギザギザで微結晶が凝集したような構造がみられた。トルエン溶液からも動揺の球晶が得られたが、さらにその傾向が強くなった。TP溶液からは、一般に輪郭がなめらかで真球に近い球晶が得られたが、他の二つの溶媒に比べると球晶の数密度は小さく、また、球晶が大きく発達する(直径数mm以上)ことがわかった。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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