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1999 年度 実績報告書

超臨界流体を用いた水を光分解する繊維の構築

研究課題

研究課題/領域番号 10750653
研究機関熊本大学

研究代表者

奥林 里子  熊本大学, 工学部, 助手 (00284737)

キーワード超臨界二酸化炭素 / ポリエステルフィルム / フェニルポルフィリン誘導体 / 光誘起水素発生 / 光誘起酸素発生
研究概要

本研究では、アルキル基を有するポリフィリン誘導体を調製し、これを繊維よりも結晶性が低くポルフィリン誘導体の固着が容易と期待されるポリエステルフィルムに、超臨界二酸化炭素を用いて固定化した。続いて、調整したポルフィルリン固定化フィルムを他の触媒と併用することで、水の光分解による水素発生および酸素発生を試みた。
まず、金属ポルフィリン誘導体を以下のように調整した。ピロールとO-ニトロベンズアルデヒドからテトラニトロフェニルポルフィリンを合成し、これを還元することでテトラアミノフェルポルフィリンを得た。続いてポルフィリンのアミノ基にプロモアルキルを反応させてアルキル鎖を導入した。アルキル鎖としてはエチル、ヘキシルおよひドデシルを用いた。元素分解と^1NMR測定の結果、アルキル鎖の導入率はいずれも3.8〜4本であった。その後ポルフィリンにマンガンあるいは亜鉛金属を配位させた。次に、超臨界二酸化炭素を用いて金属ポルフィリン誘導体をフィルムに固着させた。処件は温度80〜120℃、圧力20〜30MPaで試みた。ポルフィリン誘導体の固着量はフィルムの紫外・可視吸収スペクトルを直接測定し極大吸収波長420nmでの吸光度から算出した。その結果、アルキル鎖が長くなるほポルフィリン誘導体のフィルムへの吸着率は高くなった。これは親油性であるアルキル鎖の導入によりポルフィリンの繊維への分配が大きくなったためと考えた。しかし最大でも固着率はフィルム重量の1%前後に留まった。さらに、得られたポルフィリン固定化ポリエステルフィルムを(1)白金コロイドおよび電子供与体である2-メルカプトエタノールを含む水溶液中に、あるいは(2)二酸化ルテニウムコロイドを含む水溶液に浸し、390nm以下の波長光をカットした白色光を照射したが、(1)(2)において水素も酸素も殆ど発生しなかた。これは、結晶性の低いフィルムを用いたために、また調製したポルフィリン誘導体が親油性となったため、フィルム表面よりも内部に固着し、水溶液中の触媒と接触できる有効なポルフィリン誘導体の量が減少したためと考察した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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