超音速流れ場における白金表面での触媒反応の機構を基礎的に理解し、スクラムジェットエンジンでの点火・保炎機構として触媒燃焼を応用することを目指すとともに、触媒燃焼を利用して超音速混合場を評価する手段を確立することを目的とした研究を行った。定温度型熱線風速計の原理を応用し、触媒反応発熱量と白金温度、雰囲気水素濃度の関係を明らかにした。白金線温度が十分に高い条件では、発熱量は白金線温度に依存しないことを実験的に明らかにした。発熱量は水素濃度が理論混合比のときに最大となり、酸素と水素の拡散係数の違いが白金表面への分子輸送の差にほとんど影響を及ぼさないことが判った。ほぼ全域の水素濃度において、熱伝達係数と物質伝達係数の相似性が実験的に示された。これを利用して、熱伝達係数から物質伝達係数を見積る手法が提案され、触媒反応発熱量から高精度で水素濃度を見積ることが可能であることが示された。
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