• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

植物ホルモンを利用した直播栽培イネの成長過程と収量形成要因に関する作物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10760008
研究機関東北大学

研究代表者

渡邊 肇  東北大学, 農学部・附属農場, 助手 (10292351)

キーワードイネ / 幼植物 / 直播栽培 / 植物ホルモン / アブシジン酸 / 出芽 / 苗立ち
研究概要

水稲の不耕起直播栽培は最も理想的な省力,低コスト栽培技術の一つである.本研究では種々の植物ホルモンが不耕起直播栽培イネの苗立ち率及びその後の生育・収量に及ぼす影響を主に圃場試験で検討した.水稲品種「こころまち」を供試した.咋年の試験で,高出芽・苗立ち率の確保に有望であったアブシジン酸(ABA),エチレン(ET),ジベレリン(GA)の3種の植物ホルモンについて,圃場試験を行った.その結果,対照区で苗立ち率は57.0%であったが,GA単独処理で62.0%,ABAとETの併用処理で65.4%,ETとGAの併用処理で72.7%となり,前年度と同様に対照区に比べて有意に増加した,今年度は,さらに苗立ち以後の生育についても検討した.その結果,ETとGAの併用処理では,苗立ち率の生育促進効果が反映して,草丈,茎数ともに他の処理区を上回った.最高分げつ期付近では各処理区の間に有意差は認められなかった.最高分げつ期以後の生育も各区の間で有意差が認められなかった.最終的な収量は対照区508.5kg/10a,GA単独処理で498.3kg/10a,ABAとETの併用処理で482.9kg/10a,ETとGAの併用処理で519.4kg/10aでETとGAの併用処理で収量が増加する傾向にあった.今年度は昨年度と同様に,ETとGAの併用処理で苗立ち率の促進効果が認められたが,5月以後の天候が比較的良好であったことから,その後の生育と収量には有意差が認められなかった.しかし,東北地方は,播種以後の天候が不安定であることが多く,今年度のように初期生育が良好な年においては苗立ち率の促進効果がマスクされてしまう可能性がある.したがって,植物ホルモンの効果は初期生育期に種々の天候が不良の年にその効果が発揮されるものと推察された.この点に関しては,検討すべき今後の課題であると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Watanabe: "Effects of plant growth regulators on the growth of rice seedling under no tillage direct: seeding"16th International Botanical Congress. St. Louis. Abstracts. 679-679 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi