研究概要 |
主茎の第9葉の上に第1花序を分化した個体の第8葉に^<14>CO_2を施与した場合,^<14>CO_2施与葉の直下節間では^<14>CO_2施与葉に連絡している3列の維管束で^<14>C-活性が最も高く,花序軸では基部の4列の維管束のうち,^<14>CO_2施与葉由来の2列の維管束で^<14>C-活性が高い事が前年度の研究結果より得られている. これらに基づき,トマトの葉(ソース)から果実(シンク)に至る,主茎,仮軸,花序の維管束走向に沿った^<14>C-光合成産物の転流経路上での糖組成を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により調べた, その結果,施与葉,主茎,仮軸および花序軸において通常の化学分析では,いずれの部分においてもフルクトース,グルコース,スクロースが検出された. しかし,分離された各糖の^<14>放射活性を測定したところ,^<14>CO_2施与葉の葉肉では主として^<14>C-フルクトース及び^<14>C-グルコースが検出され,一方,中肋,葉柄では^<14>C-スクロースの放射活性が^<14>C-ヘキソースをよりも高くなった.さらに,主茎,仮軸および花序軸においては,^<14>CO-スクロースのみ検出され,このことより,ソース葉で合成された光合成産物は主としてスクロースで転流経路上を転流していることが確認された.
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