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1999 年度 実績報告書

ウィルス罹病性植物における増殖抑制反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10760026
研究機関東北大学

研究代表者

長谷 修  東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10261497)

キーワードキュウリモザイクウイルス / タバコ / 全身感染 / モザイク病徴
研究概要

キュウリモザイクウイルス黄斑系統を接種したタバコは、上位葉にウイルスの蓄積量の多い黄白色部からなる葉(黄白色素)と、さらにその上位葉に蓄積量が極端に少ない緑色部の発達した葉(緑化葉)が進展する。緑色部形成過程におけるウイルスゲノムRNAの複製産物とその翻訳産物量の経時変化を分析し、ウイルス側の変動の基礎データを得た。また、緑化に関与する植物側の因子の探索を行い、罹病性植物におけるウイルス増殖抑制反応について考察した。
黄白色葉と緑化葉は、それぞれの葉への最初のウイルスの侵入と増加は経時的に一致し、はじめ両者とも葉全体が黄白化した。さらに経過すると、緑化葉において基部側から緑化した。緑化葉は、ウイルス蓄積量の減少過程について詳細に調べた結果、ウイルスRNAのマイナス鎖RNAに比べてプラス鎖RNAが特異的に減少した。よって、緑化葉はウイルス侵入時の葉の生育程度に依存して発達すること、また、プラス鎖RNAを特異的に分解する植物側の因子があるものと考えられた。そこで、緑化する直前の試料において特異的に変動する植物側のmRNAをデファレンシャルデイスプレイ法により選抜しクローニングした。この遺伝子は、ノーザン分析では検出限界下であったがRT-PCR法において特異的に発現が抑制されており、緑化直前の過程で負の制御を受けていると推察された。
本研究から、緑化の解析は、ウイルスの移行進入時期、緑化開始時、並びに緑化の発達期の3つの段階が重要であるとわかった。このうち、緑化開始時期においてクローニングした上記の遺伝子は緑化の過程で変動することまで明らかにした。今後は、この遺伝子が、緑化の誘導に関与するのかどうかについて、形質転換体の作成とその解析、ならびに、3つの段階それぞれについての植物側因子の詳細な探索を計画したいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 長谷修,柄澤明,高橋英樹,江原淑夫: "キュウリモザイクウイルス黄斑系系統感染タバコにおけるモザイク葉緑色部の形成"日本植物病理学会報. 65・3. 384 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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