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1998 年度 実績報告書

蛋白性メタルプロテアーゼインヒビター,SMPIの構造・機能解析と応用

研究課題

研究課題/領域番号 10760051
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

平賀 和三  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (50252549)

キーワードinhibitor / metalloproteinase / Streptomyces / proteinaceous / structure / mutant
研究概要

SMPIはStreptomycesが生産する、蛋白性メタルプロテアーゼインヒビターである。我々は、SMPIの阻害反応部位が、阻害ループ内に存在するC64-V65であることを既に明かにしている。本年度は、SMPIの構造解析結果に基づき、SMPIの阻害ループ内のアミノ酸の役割を調べた。
SMPIの構造解析より、SMPIの阻害反応部位附近に存在する塩基性アミノ酸と、サーモリシンの活性部位に存在する酸性アミノ酸の静電的相互作用が、SMPIの阻害活性発現に重要な機能を果たしていることが示唆された(S.Tate,K.Hiraga et al.,J.Mol,Biol.,282,435-446,1998)。
この結果に基づいて、P5位のR60,P4位のK61,P2'位のR66に関して、各種変異体を作成した(R60A,K61A,R66A,R60/K61A,60/61/66A,60/61/66E)。その結果、R60,K61,R60/K61の変異体のみが阻害活性を失わず、酵素に対して安定であった。60/61/66A,60/61/66Eは、いずれも阻害活性が弱くなり、酵素により分解された。これらの結果より、阻害反応部位近傍の塩基性アミノ酸は安定な酵素ー阻害剤複合体の維持に役立っていることが示された。特にR66の単一変異体は阻害活性が弱くなり、酵素により急速に分解されたことからP2'位のR66が酵素のS1'位の疎水ポケットとの疎水的相互作用に必須である事が判明した。また、阻害反応部位近傍のジスルフィド結合とP68の変異体(C64/69S,P68T),を作製したところ、いずれも阻害活性が極めて弱くなり、酵素によって急速に分解された。これらの結果から、SMPIが阻害剤として機能するためには、ジスルフィド結合とP68が必須であることが明らかとなった(K.Hiraga et al.,J.Biochem.,125,202-209,1999)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Ohno et al.: "NMR structure of the Streptomyces metalloproteinase inhibitor,SMPI,isolated from Streptomyces nigrescens TK-23:another example of an ancestral beta gamma-crystallin precursor structure." Journal of Molecular Biology. 282・2. 421-433 (1998)

  • [文献書誌] S.Tate et al.: "Elucidation of the mode of action of interaction of thermolysin with a proteinaceous metallo-proteinase inhibitor,SMPI,based on a model complex structure and a structural dynamics analysis." Journal of Molecular Biology. 282・2. 435-446 (1998)

  • [文献書誌] K.Hiraga et al.: "Mutational analysis of the reactive site loop of Streptomyces metalloproteinase inhibitor,SMPI." Journal of Biochemistry. 125・1. 202-209 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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