植物由来の新規・機能性オリゴ糖レピジモイドについて、これまでに植物の成長促進(特にケイトウ芽生えの下胚軸伸長)活性、クロロフィルの合成促進作用及びセネッセンス防止作用等、レヒジモイドの多面的な生理活性を明らかにしてきた。本研究ではケイトウ以外の植物に対するレピジモイドの作用を調べるため、近年分子生物学のモデル植物として盛んに用いられているロイヌナズナ(エコタイプ:WS)にレヒジモイド処理を行った。その結果、レヒジモイドはシロイヌナズナに対しても下胚軸の伸長促進作用を示し、更には子葉の拡大作用も有することが明らかになった。また、7種類のエコタイプの異なる野性型シロイヌナズナの成長(下胚軸の伸長促進作用および子葉面積の拡大作用)に対するレヒジモイドの効果を検討した結果、顕著な下胚軸伸長および子葉面積の拡大促進作用を示したエコタイプとしてWS、C24、Canの3種類が確認された。一方、その他のエコタイプ(Columbia、Lansberg、Enkheim、C1-0)では、ほとんど促進作用が認められなかったことからレヒジモイド感受性および非感受性のエコタイプが存在することが明らかになり、今後の遺伝子レベルからのレヒジモイドの作用の解析に用いられる可能性が示唆され、分子レベルでの作用メカニズム解析の有用な材料となるものと期待される。今後はシロイヌナズナを用いてレヒジモイド処理により発現が誘導される遺伝子の同定を行う予定である。
|