研究概要 |
地域森林作業システム機械化のシミュレーション・モデルを構築するための準備的な研究を実施した。第一に,北海道の各地域における高性能機械保有事業体を対象として,機械利用実態に関する聞き取り調査を行った。その結果,事業体の機械利用形態として,次の3種類に区分されることが明らかとなった;個別事業体での機械利用,機械のレンタル・リース,近隣事業体との業務提携による機械利用。これらのうち,業務提携により機械利用を行う芽室町森林組合が,最も効率的に機械を活用していた。同組合の事例をもとに,地域森林作業システム機械化の発展方向に関するシナリオを設定した。まず,地域の核となる事業体が出現する。この事業体が強力なリーダーシップを発揮し,地域森林生産の再編(M&Aや業務提携など)を進める。この事業体は,機械化作業を行うコントラクタ(生産請負業者)に対して,機械作業に適した事業を安定的・集中的に配分する。この過程によって地域森林生産の効率化が実現し,森林資源の持続的経営が可能となる!第二に,シミュレーション分析のフィールドである北海道富良野地域を対象に,分析に必要なデータの収集を行った。主な調査項目は次の諸点であり,方法は聞き取り調査と資料収集によった;同地域における協業化の取り組み状況,協業化に対する各事業体の認識,素材生産および素材流通の実態,素材生産計画,林業労働力の推移。
|