1. ペルオキシダーゼ遺伝子の単離と解析 これまでに知られているぺルオキシダーゼのアミノ酸配列を比較し、よく保存されている配列をもとに3種類のプライマーを設計した。次いで、ポプラカルスcDNAをテンプレートとしてPCRを行った。増幅されたDNA断片の内、389bpの断片をシークエンシングした結果、種々のペルオキシダーゼの塩基配列と高い相同性を有していた。この断片をペルオキシダーゼ遺伝子を選抜するプローブとして用い、ポプラカルスcDNAライブラリーをスクリーニングした結果、32個の陽性クローンを得た。まず、そのうち2クローンの塩基配列を決定した結果、互いに97.7%の相同性を示し、一つはほぼ完全長で927bpのオープンリーディングフレームを含んでいた。また、これまでに知られているポプラのアニオン性ペルオキシダーゼのアミノ酸配列と高い相同性を有していた。現在、他の陽性クローンのシークエンシングを進めている。 2. アンチセンス 4CLポプラの作製と選抜 ポプラより単離された2つの4CL遺伝子(4CL1と4CL2)をカリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーターおよびxylem特異的発現プロモーターの下流にアンチセンス方向に接続し、4つのアンチセンスコンストラクトを作製した。次いで、これらのアンチセンスコンストラクトをバイナリーベクターpBin19にサブクローニングした後、アグロバクテリウム(LBA4404)に導入した。リーフディスク法により目的遺伝子をポプラへ導入した後、カナマイシンを含む選抜培地上で形質転換体を選抜し、現在約80個体のputative形質転換ポプラを培養している。一方、形質転換体の2次選抜において、4CL活性を測定せず抗体を用いて酵素の発現量を調査する簡便な選抜方法を確立した。
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