• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

塩基性染料による部分着色材の教材への利用

研究課題

研究課題/領域番号 10760110
研究機関市立名寄短期大学

研究代表者

荒井 一成  市立名寄短期大学, その他の部局, 講師 (90232008)

キーワード部分着色 / 傷害チロース / 吸着性 / 着色幅(範囲) / 教材開発
研究概要

部分着色材を利用した教材の開発をしていく中で、ブナ材の着色において異常な未浸透部が存在することがわかり,その原因究明と対応策の検討を行った.
ブナ材は木目が不明瞭な散孔材であるが,易浸透な辺材幅が大きく,かつ浸透着色すると年輪の中の早材部だけが選択的に着色されるため,木理明瞭着色には有利な材料である.ところが,伐採直後に発生する傷害チロースによって製品の美観を損ねる着色むらが生じる.そこで,樹体のチロース形成に必要な生理的活性を失わせる処理法を,夏期伐採材および冬期伐採材のそれぞれの条件で検討した.その結果,(1)夏期の伐採では伐採直後に50℃以上の温水浴処理を施す.(2)冬期の伐採では凍結期間中に製材・乾燥をする.または低温で含水率が高いうちに50℃以上の温水浴処理を施す,ことによって,完全に傷害チロースを抑制できることがわかった.
また,繊維方向への流動過程において,吸着性および色の異なる塩基性染料2種の組み合わせで2色の染め分け,さらに吸着性のない顔料を配合すると3色の染め分けの可能性が確認されていたが,配合するときの染料の濃度比を調整することにより,各染料の着色幅(範囲)をコントロールできることがわかってきた.この技術が確立されれば,本研究のテーマである“木材が生物材料である証拠を示す教材"の開発がより効果的な形になると期待できる.そこで今後の補足課題として,吸着力の大きい染料と小さい染料および顔料による55とおりの組み合わせによる,着色パターンおよび着色幅(範囲)の検証実験を行うことにした.これにより,より多くの集成加工時の色・配列が考案でき,教育現場での実践および療育訓練における教材の開発につなげられよう.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 荒井一成・矢田茂樹: "ブナ材の部分着色におけるチロース生成を原因とする着色むらの抑制" 材料. Vol.48.No3. (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi