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1998 年度 実績報告書

植物プランクトンの細胞周期と毒性の発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10760116
研究機関広島大学

研究代表者

浜崎 恒二  広島大学, 生物生産学部, 講師 (80277871)

キーワード植物プランクトン / 細胞周期 / Alexandrium tamarense
研究概要

本年度の研究では、(1)有毒渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseの細胞周期の判別、 (2)培養の同調化、 (3)A.tamarenseの毒性の測定、について方法論の検討を行い、これらの手法を用いた培養実験を計画していた。(1)については、クロロフィル色素を抽出した後、RNaseAを含むPropidiumiodideで染色することによって判別に必要な染色像が得られることがわかった。染色後フローサイトメーターで分析したところ、G_1とG_2+M期およびその間のS期に由来すると思われる明瞭なサイトグラムが得られた。(2)については明暗法による同調化を試みたが、培養実験系の不備から未だ同調化を確認できていない。(3)については、粗抽出液を簡易カラムで部分精製することによって夾雑物の影響をあるていど回避し、有効な測定値を得られることがわかった。培養実験では、A.tamarenseをGPM培地を用い、水温15℃明暗周期12L/12Dで培養した。細胞濃度が約2000cells/mlに達したところで48時間暗条件にして、細胞周期の同調操作を行った。再び培養を開始し、2時間置きに48時間サブサンプルを採取した。フローサイトメーターによる解析の結果、ほとんどがG_1期の細胞で占められ(G_1:85〜90%、G_2+M:5〜10%、S:2〜7%)、明瞭な周期的変化は見られなかった。藻類細胞は、定常期に入るとG_1期の時間が長くなるかあるいはG_0期に入ることが報告されており、今回の実験でも開始時に細胞が定常期に入っていたと思われる。最終目標である細胞周期と毒産生の関係を見るためには、対数増殖期を維持しながらサブサンプルを採取できる実験系を構築することが必要と思われる。来年度、培養規模を大きくして実験開始時の細胞濃度を低くした実験系を使って解析を行う計画である。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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