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1998 年度 実績報告書

海産頭足類スルメイカ鰓組織に局在する塩濃度依存型トランスグルタミナーゼの生理機能

研究課題

研究課題/領域番号 10760122
研究機関北海道大学

研究代表者

埜澤 尚範  北海道大学, 水産学部, 助手 (20221484)

キーワード組織型トランスグルタミナーゼ / スルメイカ / 中性塩類活性型 / 創傷治癒 / 海洋無セキツイ動物 / 軟体動物頭足類 / 架橋重合タンパク質 / 比較酵素化学
研究概要

1. 酵素の精製
スルメイカ鰓を5倍量の20mM HEPES buffer、pH7.5-5mM EDTA-10mM 2MEで抽出し、60%飽和硫安塩析、Sephacryl S-300,ヒドロキシアパタイトの各クロマトグラフィーに供して精製した。分子量は約9万でこれまで報告の組織型トランスグルタミナーゼ(TG)と類似していた。
2. 酵素学的特性
酵素活性は、サクシニル化カゼインとMDCを基質としpH-7.5,25゚Cで測定した。
(1) イカ鰓TG活性は0.5MNaCl濃度付近で急激に活性化し、0.8M付近で約10倍となった。また、同濃度のKClでは活性化が小さかった。
(2) 活性発現にはCa^<2+>が必須で、Ba^<2+>,Mg^<2+>,Mn^<2+>,Sr^<2+>には活性発現効果が見られなかった。
(3) MDCおよびサクシニル化カゼインに対するKm値はそれぞれ、0.018mM、1.0mg/mlであった。
(4) 反応至的pHは7.5-8.0付近にあり、25゚C.1時間のincubationではpH8.5-9.0で安定であった。
(5) 0.5M NaCl存在下での熱安定性は25゚C,90minの加熱でも50%程度の活性が残存しており、ホタテTGよりNaClに対して安定であった。
(6) 活性はPCMB,MIA,NEM,Zn^<2+>,Cu^<2+>で強く阻害された。
3 酵素の生体内基質の検索
イカ鰓タンパク質を基質として10mM CaCl_2,0.6MNaCl存在下、25℃でincubateすると経時的に多くのタンパク質にMDCの取り込みが見られた。また、MDC非存在下では反応開始5分でSDS-PAGEゲルに入らない巨大なタンパク質架橋体の形成が見られた。イカ鰓水溶性タンパク質を基質とした場合も同様の架橋体が形成されたことから生体内での反応には水溶性タンパク質の関与も示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Nozawa: "The Influences of Neutral Salts on The Actibity and Stability of Transglutaminase from Scallop Adductor Muscle" Comp.Biochem.Physiol.(受理済). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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