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1998 年度 実績報告書

貯蔵中の温度およびガス組成の変動が青果物の呼吸と品質に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 10760146
研究機関東京大学

研究代表者

川越 義則  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80234053)

キーワード二酸化炭素放出速度 / 酸素吸収速度 / 呼吸速度 / 呼吸商 / 温度変動 / 貯蔵 / 鮮度保持
研究概要

収穫後の青果物において、個々の環境要素が呼吸に与える影響を明確にするために、変動を与える環境要素以外は一定環境であることが仮定でき、一つの要素のみが呼吸速度に対してどのような影響を及ぼすかを定量的に解析できるような呼吸速度計測システムを構築した。このシステムを用いて、呼吸速度に最も影響を与えると考えられる温度を変動させたときの呼吸速度の応答について検討した。このシステムは、閉鎖法に換気を組み合わせることによりガス濃度の変動が0.5%程度の範囲内に抑えることができ、ガス濃度はほぼ一定とみなした上で検討可能となった。実験条件について、ガス環境は大気レベル、湿度は飽和、暗黒下とした。温度は0,10、20,30℃一定区と、最初の12時間を10℃としその後30℃を12、24、36時間維持、または20℃を36時間維持した後、再び10℃へ戻す変動区を設け、計8実験区とした。1実験区あたりの時間はすべて72時間とした。品質への影響を検討するために、L-アスコルビン酸含有量を24時間毎に測定し、また実験後の目減りも算出した。変動区において30℃へ上昇させた直後の二酸化炭素放出速度は30℃一定区における最高値まで上昇し、一方20℃へ上昇させた場合は20℃一定区とほぼ一致し、異なる傾向を示した。呼吸商についてみると、温度一定区では漸減傾向を示し、温度が低い方が小さい値を示した。一方、30℃変動区は温度を上昇させた直後から呼吸商が30℃一定区よりも大きな値を示し、温度を10℃の回復させた後は10℃一定区よりも小さな値を示した。呼吸商から直ちに呼吸基質は決定できないが、温度とその変動、経過時間によって呼吸基質割合が変化していることが推察された。L-アスコルビン酸の残存率は、温度が高いほどまた高温への変動時間が長いほど小さくなる傾向がみられた。目減りは、温度一定区と温度変動区のいずれにおいても20℃と30℃の間に明確な差がみられた。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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