本研究は発生における各体節ごとの特徴を決定づけるとされるHox遺伝子群がコードする転写因子(Hox蛋白)の組織レベルでの発現、局在パターンを明らかにし、さらに細胞レベルでの局在を詳細に解析した上で、形態学的立場からHox蛋白の局在と機能との関連性につき検討することを目的としている。 今年度はその第一段階として、38種のHox蛋白の中で、胎児頭部神経管のロンボメアと鰓弓に発現されるHoxb-2、b-3、b-4、およびL2〜L4領域に発現されるHoxc-9、d-8、a-10.d-9の各々に特異的なアミノ酸配列を検討した後、免疫原ペプチドを作製し、主としてウサギを用いた抗体作製を進めてきた。しかし、現時点で作製した抗血清のうち、ウエスタンブロットおよび組織の両方で反応性が良好に認められるものは未だ得られていない。現在、アミノ酸配列を再検討した上で、一蛋白につき複数の免疫原ペプチドを作製し、抗体作製を精力的に進めている。
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