研究概要 |
GABA作働性神経終末が投射するマイネルト核ニューロンを機械的に単離し、マイネルトニューロンにGABA性神経終末のみが付着した'シナプス・ブートン'゙標本を作製した。本標本のニューロン(シナプス後膜側)にニスタチン穿孔パッチをあてると、抑制性の自発性GABA性シナプス後電流(mIPSCs)が長時間にわたって記録された。まず今回はこのmIPSCs)の発生に関与する神経終末部におけるCaチャネルの種類を検討した。その結果、mIPSCsの発生には高閾値のL型とP/Q型Caチャネルが関与すること、加えて'スライスパッチ'標本を用いた実験から、電気刺激で誘発されるevoked mIPSCsにはN型、P/Q型とR型が関与するという大変興味ある結果が得られ、本結果をJ.Neurochem.(1999)72(2),800-807,に発表した。なお、GABAの遊離自体にcAMPの増減が密接に関与することも明らかになりつつあり、次年度におけるセロトニンのGABA遊離への影響がいかなる細胞内情報伝達系を介するのか興味あるところである。
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