浜松医科大学付属病院病院病理部にて過去5年間の胃原発悪性リンパ腫手術症例9例を抽出した。手術材料へマトキシリン-エオシン染色全切片の再検討をおこない、腫瘍部(腫瘍細胞の浸潤が最も強い部位、腫瘍細胞の量が最も多いと思われる部位)と非腫瘍部(腫瘍部の近傍で腫瘍細胞の浸潤が認められない部位)の最適標本を選択、免疫染色ABC法にて抗ヒトB細胞抗体(L-26、MB-1)並びにT細胞抗体(UCHL-1、MT-1)染色を行い、悪性リンパ腫の詳細な病型診断、免疫組織学的検討をおこなった。同時に同部位のDNA抽出用の切片を作成した。 症例の男女比は3:6、年齢は50歳から76歳(平均62.8歳)。全例B細胞性で、組織型はDiffuse Large cell type3例、Diffuse Medium ssized cell type4例、低悪性度MALT typeが2例であった。 また、同一症例、同一部位にて抗Helicobacter pylori抗体のABC法免疫染色をおこなった。 Helicobacter pyloriの陽性率の測定を行い症例間で比較検討中である。 現在、新規症例、さらにさかのぼって過去の手術症例を抽出、再検討している。 同様の検討を他の研究協力施設(県西部浜松医療センター、富士宮市立総合病院、磐田市立総合病院など)の症例についておこなっている。
|