1) 免疫組織学的検討 AILD型Tリンパ腫(AILD)症例におけるリンパ腫細胞のcytokine発現の有無および血管内皮細胞、濾胞樹状細胞などリンパ腫細胞以外のcytokine receptor発現の有無について、免疫組織学的方法(strept ABC法)により試みましたが、有意な染色結果は得られませんでした。今後、使用する抗体の再検討や高感度免疫染色法、RNA-in situ hybridization法などの方法の検討などを行いさらに検討する予定です。 2) 遺伝子学的検討 リンパ腫細胞のT細胞γ受容体(T cell receptorγ:TCRγ)のrearrangcmentを5′側、3′側それぞれ1個のprimerを用いて検討しました。対照として用いた末梢型T細胞リンパ腫(PTCL)症例では、約半数にrearrangementを示すbandが検出されましたが、AILDでは7例中2例にのみ明らかなbandが認められました。PTCLての検出率が低いことから、今後は手技的なことを再検討することと、症例数を増やして検討することが必要であると考えています。 また、AILDではときに免疫グロブリン重鎮遺伝子(IgH)の再構成がみられるとの報告があり、それらとAILDの特徴の一つである濾胞樹状細胞(FDC)の増生との関連性の有無をみるために、IgHの遺伝子再構成についてsemi-nested PCR法を用いて検討しました。.AILD13症例に行いましたが、いずれも再構成のbandはみられませんでした。FDCの増生との関連性は低い可能性が考えられますが、今後症例数を増やして検討したいと考えています。
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