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1998 年度 実績報告書

末梢肺腺癌の遺伝子変異における塩基置換のパターンから見た発癌要因の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10770082
研究機関横浜市立大学

研究代表者

林 宏行  横浜市立大学, 医学部, 助手 (90301415)

キーワード肺癌 / 腺癌 / 発癌感受性 / 遺伝子変異 / 発癌要因
研究概要

1 肺腺癌の遺伝子変異の検討
約120症例の性・喫煙歴・組織型などによる分類とDNA抽出まで完了しており、PCR-SSCP法による遺伝子変異の有無を現在検索中である。症例数については、来年度も引き続き随時追加していく予定である。
2 肺腺癌の個人発癌感受性の検討
P450のCYP2E1は、主にニトロサミン類の代謝と関連しているとされ、その遺伝子多型は肺腺癌発生への関与が示唆されている。腺癌単発例においては変異型遺伝子により発癌感受性が増加する報告と低下する報告があり、定まった見解はなく、CYP2E1遺伝子のPstI多型を、同多発症例についてRFLP法を用いて検討した。その結果、腺癌多発群の67%(10/15)に変異型遺伝子が認められ、同単発群の19%(3/16)に対して有意差を認めた(p=0.023)。しかし、非腫瘍群における変異型の頻度は43%(6/14)であり、多発群ならびに腺癌群(多発+単発)との有意差は認められなかった。また、前癌病変といわれている肺異型腺腫様過形成(AAH)を合併した腺癌多発群における変異型の頻度は83%(5/6)であり、AAH合併単発群の0%(0/3)に比べて高率であった。AAHの有無のみ、性、喫煙歴と遺伝子多型の間には関連は認められなかった。以上よりCYP2E1は肺腺癌の有無には直接の関与は低いが、腺癌多発やAAHからの癌化における個人の発癌感受性をより高めている可能性が考えられた。CYP2E1遺伝子多型と、遺伝子変異における塩基置換パターンの関連についても検討可能な症例については併せて行いたいと考えている。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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