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1998 年度 実績報告書

シグナル伝達アダプター分子CRKによるJunキナーゼ活性化のメカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 10770093
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 伸哉  北海道大学, 医学部, 助手 (70261287)

キーワードCRK / C3G / シグナル伝達 / アダプター / Junキナーゼ
研究概要

我々は細胞内情報伝達アダプター分子CRKのヒトにおける生理的な役割および病態との関連の解明を目的としてCRKが活性化する細胞内シグナル伝達系の研究を申請した。これまでにOGはRaplを活性化することによって、IL-2刺激をブロックしてT細胞の抗原に対して不応答となるT細胞免疫アナジーを調節することが報告されており(Boussiotis,V.A.,et al.,Science,278:124-128,1997)、自己免疫疾患との関連が示唆されている。また、神経細胞ではCrkが神経分化を誘導することが知られていたが、最近、NGFの下流でC3GがRapl/B-Rafを介して持続的にMapキナーゼ系を活性化して分化誘導を制御することが明らかにされ (York,R.D.,et al.,Nature,392:622-626,1998)、神経再生をコントロールできる可能性が期待されている。
本申請研究では特にCRK/C3G複合体の下流へ信号を伝達する分子の同定、単離を目的としており、そのために初年度はC3Gの機能領域に結合する蛋白をコードする遺伝子のクローニングをおこなった。
本研究では酵母のTwo Hybrid法を用いたが、BaitはC3Gの機能領域2箇所を選択した。1)グアニンヌクレオチド交換因子相同領域で、C3GのC末アミノ酸724から1077番をGal4DNA結合蛋白との融合蛋白として発現させるベクターpGBT9-C3G-Cを作成した。2)C3GのN末アミノ酸93番から209番までの領域はヒトとショウジョウバエに共通して保存された領域であり、最近ロックフェラー大学の花房教授らによて発見されHD1領域とよばれる(Ishima,S.,et al.,EMBOJ,18,145-155,1999)。このHD1の機能を調べるためにpGBT9-HD1を作成した。現在までの結果として、pGBT-HD1をbaitにした場合に、約2.5kbのインサートを含む陽性クローンが1つえられた。シークエンスを行ったところウサギのprotchkinase A anchoring protein(AKAP:A kinase anchoring protein)と95%の相同性をしめす事から、AKAPのヒトホモログであると考えられた。単離されたクローンはAWの部分配列であり、なおかつ、ヒトAWの配列は報告されていないため、現在Full sequenceを確定するとともに、真核細胞内でのAKAPとC3Gとの結合を確認している。その後は、protein kinaseAとCrk/C3Gシグナルの関連を検討する計画がある。なお、pGBT-C3G-Cをbaitとした場合では陽性クローンは現在までのところえられていない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tanaka S.,et al.: "Guanine-nucleotide exchange protein C3G activates JNK1 by a Ras-independent mechanism: JNK1 activation inhibited by kinse negative forms of MLK3 and DLK mixed lineage kinases" J.Biol.Chem.273. 1281-1284 (1998)

  • [文献書誌] Itoh S.,et al.: "Involvement of cell membrane factors in JC virus infection" Neuropathology. 18. 67-72 (1998)

  • [文献書誌] Nagashima T.,et al.: "Meningeal large granular lymphocyte lymphoma" Neuropathology. 18. 336-342 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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