動物細胞に侵入したジフテリア毒素より生じた28kDのフラグメントが、毒素のフラグメントAのエンドソーム膜通過のための前駆体であるかどうかを調べるために、この28kDのフラグメントが生成されないジフテリア毒素のミュータントの作製を試みる計画である。 28kDフラグメント生成のためのcieage siteを特定するために、28kDフラグメントの性格な分子量を決定する。 現在、中性原子衝撃法による質量分析に供する28kDフラグメントの濃縮、精製中である。DTレセプター高発現細胞VeroHにDTを4℃で結合させ、細胞を洗浄した後37℃で1時間カルチャーした。この37℃でのカルチャーの間にジフテリア毒素は細胞内にエンドサイトーシスされ、エンドソーム内に28kDフラグメントが出現する。抗フラグメントA抗体で28kDフラグメントを濃縮する時に邪魔になるジフテリア毒素を除くために、細胞表面をプロナーゼで処理した。細胞は可溶化した後抗フラグメントA抗体で28kDフラグメントを濃縮し、native-PAGEにより分離し、目的のサイズのところのゲルを切り出した。ゲルより回収した28kDフラグメントをさらに精製するためにHPLCで単離する予定であるが、現在カラムの充填剤等の最適条件を検討中である。 今後の予定 28kDのフラグメントを中性原子衝撃法による質量分析にて正確な分子量を決定し、DTのアミノ酸配列よりclovage siteを決定し、切断が起こらない、ミュータントジフテリア毒素を作製する。
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