1. 組織内での発現分布の検討 マウスGP-1のcDNAの塩基配列から推定されるアミノ酸配列を基に、合成オリゴペプチドを作製した。このペプチドを家兎に免疫し、マウスGP-1蛋白に対する抗血清を得た。この抗血清を用いて、マウスの組織標本の免疫染色を行った。その結果、神経細胞、マクロファージ、血管中膜、気管支上皮細胞でGP-1が発現していることが明らかとなった。さらに、GP-2についても同様に抗血清を作製しており、現在、組織内での発現分布の解析を行っている。 2. 培養細胞を用いた細胞内局在の解析 マウスGP-1の発現ベクターをCOS細胞に導入し、上述した抗GP-1抗血清を用いて免疫蛍光染色を行った後、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。その結果、GP-1が細胞質内に局在することが判明した。また、HAタグを付加したマウスGP-2の発現ベクターを用いて免疫蛍光染色を行った結果、GP-2も同様に細胞質内に局在することが判明した。 3. GP-1およびGP-2遺伝子欠失マウスの解析 GP-1遺伝子欠失マウスは正常に出生し、そのほとんどの個体が20週令以上までなんらの異常も示さなかった。ただし、一部の個体(約5%)は、12週令前後で死亡した。現在、その原因を明らかにすべく、組織学的解析等を行っている。GP-1遺伝子欠失マウス由来のマクロファージの貧食能は、野性型マウスと同等であった。各種の細胞表面マーカーを用いた解析を行ったところ、GP-1遺伝子欠失マウスにおけるリンパ球系細胞の分化は正常であることが判明した。GP-2遺伝子欠失マウスについても、ヘテロ接合体が出生しており、GP-2遺伝子欠失ホモ接合体マウスが出生し次第、GP-1遺伝子欠失マウスと同様の解析を行う。
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