研究概要 |
ラット脳内の報酬中枢である外側視床下部の電気刺激を30分施行した後、脳内のいくつかの部位に刺激が伝導し、特に、刺激側および非刺激側の脳内のPVN(paraventricular nucleus of the hypothalamus),DMH(dorsomedial hypothalamus),LS(lateral sputum),NAC(nucleus accubence core)に、相当量のc-fosの発現が見られた。 上記4つの部位のうちいずれの部位が、外側視床下部の電気刺激に引き続いて起こるラット脾臓のNK活性を上昇、IFN-γなどのサイトカインの産生の増強に関与するかを同定するために、これらの部位にiboteinic acidを注入し、これらの部位の神経核を脳の両側で破壊した。数日その状況で飼育したのち、外側視床下部の電気刺激をおこない、免疫能の変化を追った。その結果DMH(dorsomedial hypothalamus),NAC(nucleus accubence core)の2カ所で、期待される免疫能の向上が観察されなかったため、細胞性免疫の上昇に関与する神経中枢は、主に、この2カ所であることを突き止めた。 現時点ではこの現象に関与する情報伝達物質をmicrodialysisで同定中である。
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