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1998 年度 実績報告書

N,N-ジエチルアニリンによるリンパ球染色体異常はリンパ球の機能に影響を与えるか

研究課題

研究課題/領域番号 10770178
研究機関日本医科大学

研究代表者

李 卿  日本医科大学, 医学部, 助手 (50250048)

キーワードN,N-Diethylaniline / NK活性 / CTL活性 / リンパ球 / マウス
研究概要

N,N-diethylaniline(DEA)は,染料や有機化学合成の中間体等として使われる。以前我々はこの物質の遺伝毒性を検索する目的でDEAによるリンパ球のSCE誘発実験を行いこの物質の強い遺伝毒性を確認した。本研究ではDEAがリンパ球の機能に影響を及ぶすか否かについて検討した。
DEAのin vitro処理による影響:(1)人末梢全血からリンパ球を分離し、in vitroでDEAとS-9mixで1時間リンパ球を処理した後、培地でリンパ球を洗浄しDEAとS-9mixを取り除いた。
(2)NK活性の測定:まず^<51>Cr(Sodium Chromate)で標的細胞であるK562をラベルし、その後DEA処理リンパ球と一緒に混合焙養し、3時間後K562からの^<51>Cr遊離を測定し、NK細胞活性を評価した。
(3)結果としてDEAがin vitroで人末梢血のNK細胞活性を有意に抑制し、この抑制は培地中のDEAの濃度に依存している。
DEAのin vivo被曝による影響:6週令のCBA/Nマウス(♂)を実験群と対照群に分け、実験群の動物に蒸留水に溶解したDEA-HClを100,200,400mg/kgの量で1回皮下投与した。対照群に蒸留水のみを投与した。投与後3と7日目にマウスの脾臓細胞を採取し以下の項目を測定した。
(1)NK活性:YAC-1細胞を標的細胞とし,^<51>Cr遊離による細胞障害反応を指標としてNK活性を評価した。(2)CTL活性:感作培養は,MMC処理YAC-1細胞をstimulatorとして120時間行い,その後,NK活性と同様に測定した。(3)ConAとLPS刺激によるリンパ球幼若化反応:TとBリンパ球の増殖能を評価する目的で,^3H-thymidine取込み法を用いて測定した。
(4)結果として、対照群と比較し、DEA投与群のNK活性とCTL活性が有意に低下し、脾臓の重量、脾臓細胞数及びspontaneousリンパ球幼若化反応が有意に上昇したことを示した。一方DEAがConAとLPS刺激によるリンパ球幼若化反応には影響を示さなかった。1週間後に,これらの影響が回復の傾向を示した。
以上の結果は,DEAがNK活性等の免疫機能に影響を有することを明らかにした。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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