筋炎発症におけるHLA以外の遺伝要因の解析を行った。対象は筋炎82例(PM22例、DM44例、他の膠原病に伴う筋炎16例〔SSc 12例、SLE 4例〕)、コントロールとして健常人及び炎症性リウマチ疾患をゆうしていない175例とした。方法は、genomic DNAよりVβ6.7の多型を含む部分をPCR法で増幅し各々Bam Hlで処理し、切断の有無でアミノ酸置換を伴う二つの対立遺伝子(切断a、非切断b)を検出した。Vb6.7a/aは筋炎群においてコントロール群に比べ有意に少なく(p=0.03)、Vb6.7b/bは筋炎群に多い傾向が見られた(p=0.1)。各筋炎群間ではVβ6.7遺伝子型の分布に有意差は認められなかった。以上の結果より、Vβ6.7遺伝子型の分布が筋炎群とコントロール群間で相違がみられたことより、TCR Vβ遺伝子多型は筋炎の発症に関与していることが示唆された。
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