研究概要 |
胆汁および胆石中からのDNA抽出と感染細菌の同定 まず本年度は、胆汁および胆石よりDNAを抽出し、コンセンサスプライマーを用いて16SリボゾームRNA遺伝子を増幅したのち、塩基配列を解析し感染細菌の種類の同定を行なうたの準備として、細菌の各種プライマーの設定を行ない菌種間のcrossreactivationの検討を行なった。 また、PCRを行なうにあたって採取検体への腸内常在細菌の混入が問題となるため無菌的に胆汁を経内視鏡的に採取する方法を確立をめざし、無菌的胆汁採取のための二重チューブの開発も同時に行なっている。これは、チューブが胆管内に挿入されると同時に外筒部分が脱落し無菌的な内筒部分が胆管内に挿入されるもので、まだ完成段階ではないが開発のめどが立ってきたところである。 実際に、数例の胆嚢結石、胆管結石、胆道癌患者などに対し内視鏡的逆行性胆管造影時や手術時に胆管胆汁や胆嚢胆汁を採取し、細菌DNAの検討を行なった。採取した胆汁中よりDNAを抽出し、胆汁中の腸内細菌の定量化を上記プライマーを用いてTaqmannのPCRシステムを用いて検討したところ、やはり胆石の生成に関して細菌(E,.Coliなど)の関与が考えらた。そこで、各菌ごとのプライマーを作成し、これを用いて、胆汁中および胆石中に高頻度で検出される細菌について、RFLP、SSCP等による簡便な同定法を検討中である。
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