研究概要 |
G型肝炎ウイルスをPH5CH細胞に感染させたところ,PCR法によって約30日目までウイルスのプラス鎖の存在が認められたが,マイナス鎖については検出されなかった.これは検出方法の感度より感染しているウイルス量が少ないためマイナス鎖まで検出できないものと想像され,培養条件をC型肝炎ウイルスと同様に32℃にする,PCRのプライマー位置の変更などにて検討したが,残念ながらマイナス鎖まで検出する感度は得られなかった.しかしながら,プラス鎖を用いた検討ではIFNを5日間培養中に混入することでG型肝炎ウイルスが検出できなくなることは確認した. 一方,C型肝炎ウイルスに関しては臨床検体を用いることにより宿主側の因子がインターフェロン感受性に大きく関わっている可能性を示した.同様のことがG型肝炎ウイルスについても認められるか否かを検討するため,今回の培養によるウイルスを対象としたが,インターフェロンの感受性については,25検体全てにおいて,培養の条件では差が無かった.このため残念ながら,G型肝炎ウイルスにおけるインターフェロン感受性決定部位のような存在は証明し得なかった.
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