• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

実験腸炎での虫垂切除の効果

研究課題

研究課題/領域番号 10770258
研究機関久留米大学

研究代表者

立石 秀夫  久留米大学, 医学部, 助手 (80258441)

キーワードデキストラン硫酸腸炎 / 虫垂切除 / 潰瘍性大腸炎
研究概要

今年度は、虫垂切除がデキストラン硫酸(DSS)腸炎マウスモデルにおよぼす影響についてまず検討した。雌性BALB/cマウスに生後2週目または6週目の時点で虫垂切除を施行し、生後10週目より4%DSS投与を開始して急性、慢性腸炎モデルを作製した。急性モデルはDSS87日間飲水させて作製し、慢性モデルはDSSを7日間飲水させた後、水道水を10日間飲水させる操作を4回繰り返して作製した。臨床的所見(生存日数、体重、便潜血、下痢)や病理学的所見(腸管長、肉眼像、組織像)を指標として腸炎の程度を評価すると、急性腸炎モデル、慢性腸炎モデルともに、生後2週目に虫垂切除を施行した群ではsham手術群に比較して炎症所見の著明な軽減がみられた。一方、生後6週目に虫垂切除を施行した群ではsham手術群との間に差異はみられなかった。今年度の検討から、生後早期の虫垂切除によりDS瀾炎が軽減することが明らかとなり、虫垂が腸炎発症に何らかの重要な役割を担っている可能性が強く示唆された。このことは、最近報告された20歳までに虫垂切除を受けた人には潰瘍性大腸炎が発症しないという疫学的事実からも大変興味深い。次年度は、生後早期の虫垂切除が腸炎を軽減させる機序について、細菌学的(腸内細菌叢の検討)、免疫学的(腸粘膜や腸間膜リンパ節でのリンパ球、サイトカイン、接着因子の検討)、機能的(腸管透過性の検討)、病理形態学的(tightjunctionの検討)な面からアプローチし、これを解明していく予定である。

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi