研究概要 |
まず、前年度にクローニングしたラット,prolyl 4-hydroxylase(P4H)α(I)染色体DNAの制限酵素地図を作製した。そして、exon1を含む約3.1kbのDNA断片の塩基配列を解読した。その結果、転写開始点よりも上流-86〜-79の領域に低酸素応答性配列と相同性の高い塩基配列が存在した。ラット胎児肺繊維芽細胞を用いてルシフェラーゼアッセイを行ったところ、この配列は低酸素濃度に応答しプロモーターからの転写量を6倍に上昇させ得ることか分かった。さらに、ゲルシフトアッセイによりこの配列にはhypoxia inducible factor-1(HIF-1)が相互作用しうることもわかった。以上の結果から、P4H α(I)遺伝子の低酸素による転写量の上昇は上流-86〜-79の領域に転写調節因子のHIF-1が作用することによって、引き起こされていることが強く示唆された。
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