研究概要 |
重症筋無力症(MG)における抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体産生はAChR特異的T細胞依存性に行われる。しかしAChR特異的T細胞は健常人からも検出される場合がある。MGにおいては、AChR特異的T細胞がどこで、どの様に活性化を受けるかが重要な問題の一つである。CD44はリンパ球がリンパ組織に侵入する際のhoming receptorの一つで、adultではmemory T cellに強く発現し、リンパ球の活性化に関与している。われわれは、このCD44に注目し、末梢血の成熟リンパ球が胸腺内に再循環し活性化を受ける様式について組織学的に検討している。平成11年度は、MG過形成胸腺で増加しているCD44強陽性細胞が、CD44発現強度が強い点、CD45ROを高頻度に同時発現している点で正常胸腺髄質のCD44陽性細胞とは異なることを明らかにし報告した。またMG過形成胸腺においてはIL-2,B7-1陽性細胞も正常胸腺に比し増加しており、小葉間結合織や小葉周辺でCD44強陽性細胞と近接して存在していることを明らかにし合わせて報告した。
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