筋強直性ジストロフィーの病態解明に関する以下の研究を行った。 1.CTGリピート伸長のない筋強直性ジストロフィー患者におけるMtPK遺伝子の異常解析。 CTGリピート伸長のない筋強直性ジストロフィー患者のリンパ球を分離し、細胞株を樹立した。 分離した患者リンパ球からgenomicDNAを抽出。PCR法によりMtPK遺伝子のエクソンの全配列を増幅。 鋳型として抽出したgenomicDNAを用い、酵素はTaKaRa Taq、primerはGenome Date BaseのMtPK遺伝子塩基配列から、12エクソンそれぞれを増幅するように決定して合成。シークエンス反応はTher mo Sequenase fluor escent labelled primer cycle sequencing kit with 7-deaza-dGTPを用いた。・・CTGリピート伸長のない筋強直性ジストロフィー患者のMtPK遺伝子のエクソン内に欠失、点変異の存在は検出されなかった。 2.筋強直性ジストロフィー患者におけるDMAHPの発現解析。 患者・非患者のリンパ球から抽出したRNAを用い、ノザン解析・RT-PCRを施行した。 ・・RT-PCRでは発現の差はなかったが、ノザン解析で患者での発現低下が示唆された。 3.CTGリピート伸長のない患者におけるDMAHPの発現解析。 患者・非患者のリンパ球から抽出したRNAを用い、DMAHP遺伝子プローブを用いてノザン解析施行した。 ・・CTGリピート伸長のない患者と非患者のリンパ球で発現の差を認めなかった。 以上から、CTGリピート伸長のない筋強直性ジストロフィー患者において、DMAHP遺伝子の発現異常の可能性が示された。今後は、エクソン以外の領域の解析と、筋組織における発現の解析を予定している。
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