研究概要 |
1. 対象;産婦人科で経過観察中の慢性特発性血小板減少性紫斑病の妊婦ならびに出生した新生児。 母親の承諾の上で母体血,臍帯血、新生児の血液を採取し,血清を保存した。また,新生児の血小板数を経時的に測定した。 2. 抗血小板抗体の検討 (1). PAIgG,PBIgG;Borneらのplatelet suspension immunofluorescence testを用い計測した。PAIgG,PBIgGともに既に測定法は確立されている。しかし、PBIgGにおいてはcontrol群においての非特異的反応が強く、そのbackgroundを考慮にいれた際に、患者検体での弱陽性所見が本当の移行抗体によるものなのか判断に迷う状況である。 (2). 血清中の特異抗体の検出;Antigen capture ELISA法ならびにavidn-biotin-peroxidase complexを使用したwestern blottingにより血小板膜糖蛋白(GP)IIb/IIIaに結合しうる血清中の抗GPIIb/IIIa抗体を検出した。これも方法は既に確立されているものの、antigen capture ELISAではcontrolのばらつきが大きく、western blottinggでも陽性所見が得られにくく、両者の十分な相関も得られていない。そのため患者検体での陽性所見が本当の移行抗体によるものなのか判断に迷う状況である。 今後は各種方法でのデータの特異性を高め、より多くの検体で検討していきたい。
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