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1998 年度 実績報告書

チミジンキナーゼの新しいタイプの変異とアシクロビル耐性単純ヘルペスウイルス

研究課題

研究課題/領域番号 10770378
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

西條 政幸  国立感染症研究所, ウイルス第1部外来性ウイルス室, 研究官 (50300926)

キーワード単純ヘルペスウイルス / チミジンリン酸化酵素 / アシクロピール / 耐性
研究概要

1)抗ヘルペスウイルス1型チミジリン酸化酵素(TK)に対する兎ポリクローナル抗体の作製:ACV感受性ヘルペスウイルス1型(HSV-1TAS株)感染細胞から抽出したDNAをテンプレートにしてTK遺伝子を増幅し,そのDNA産物をフレームが合うようにしてpQE31ベクター(QIAGEN)に組み込み,大腸菌にHSV-1のTKを発現させた.発現したTKを精製し,兎を免疫して抗TK抗体を作製した.
2)組み換えTKポリペプチドののTK活性:HSV-1のTKはACV感受性ヘルペスウイルス1型(HSV-1TAS株)を含めて本来376個のアミノ酸(1131塩基)からなっているが,ACV耐性HSV-1TAR株は355番目以降のアミノ酸がフレームシフトをおこして,407個のアミノ酸からなっている.そこでHSV-1TAS株およびTAR株遺伝子から,以下の4種類の組み換えTKポリペプチドを上記と同様に作製した.(1)TAS株のN′-末端側から354個のアミノ酸からなるTK(TKSS),(2)TAS株TKのN′.末端側から376個のアミノ酸からなる正常なTK(TKS),(3)TAR株TKのN-末端側から376個のアミノ酸からなるTK(TKR),(4)TAR株TKのN′-末端側から407個のアミノ酸からなるTK(TKRL).これら組み換えポリペプチドを用いてTAR株TKのACVリン酸化能の低下に関する研究により,以下の事項が明らかになった.(1)TAR株感染・Vero細胞でTKは発現される.(2)TKSおよびTKSSは比較的親水性の性質を有するが,TKRおよびTKRLは完全に疎水性である.(3)TKSのTK(ACVリン酸化)活性に比較すると,TKSS,TKR,TKTLのTK(ACVリン酸化)活性は極端に低下する.以上の成績により,HSV-1のACVに対する感受性において,TKポリペプチドのC′-末端側の重要性が確認された.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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