研究概要 |
培養角化細胞であるSV40 transformed human keratinocyteに紫外線(UVB)を照射し、ケラチンタンパク発現の影響について検討した。観察したケランチン蛋白は基底細胞型のK-14と分化型のK-10である。 ウエスタンブロット法にてそれぞれの蛋白に対するモノクローナル抗体を用いて観察した結果、照射後12〜24時間後にそれぞれコントロールに比べて発現の増強が見られた。 次に、それぞれのケラチン遺伝子に特異的な遺伝子配列からプライマーを設定し、mRNAレベルでの発現をRT-PCR法を用いて定量的に測定した。K-10,K-14ともにそれぞれのmRNAレベルでの発現増強が紫外線量依存的にみられ、また発現のピークは照射後約12時間後に観察された。しかしながら、K-10の発現量はK-14に比べると低かった。 今後は、紫外線によるケラチン発現についてのメカニズムを細胞内情報伝達系との関連を含めてより詳細に検討してゆく予定である。
|