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1998 年度 実績報告書

三次元培養系ヒト皮膚線維芽細胞を用いた光老化による真皮成分mRNA発現の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10770385
研究機関群馬大学

研究代表者

横山 洋子  群馬大学, 医学部, 教務員 (00241901)

キーワードUVA / 細胞外基質 / RT-PCR
研究概要

皮膚の光老化に関する多くの研究は実験動物や単層培養線維芽細胞を用いて行われているが、今回、我々は線維芽細胞が自ら作り出すコラーゲンなどの細胞外基質内で重層して三次元構造をとる真皮モデルを用い、線維芽細胞のおもな細胞外基質成分mRNA発現に対するUVAの作用を検討した。1000mJ/cm^2のUVA(320-400nm)を照射し、3、6、12、24時間後に線維芽細胞からtotal RNAを抽出しRT-PCRを行ない、mRNAの発現量を半定量した。その結果、1・コラーゲン合成、分解系に関しては、collagen α1(I)のmRNA発現は3、6時間後に減少した。
MMP-1のmRNA発現は6、12時間後に増加し、反対にMMP-1の活性を阻害するTTMP-1のmRNA発現は3、6、12時間後で経時的に減少を示した。MMP-2のmRNA発現は6時間後にわずかに増加した。ゼラチンザイモグラフィーによる培養上清中のMMP-2活性は24時間後に顕著に増加していた。リジルオキシダーゼmRNA発現は3、6、12時間後に経時的に減少した。これらのmRNA発現の結果から、UVA照射は短期的にはコラーゲン量減少の方向に作用すると考えられた。2・グリコサミノグリカンに関しては、プロテオグリカンであるデコリンとビグリカンのmRNA発現を検討したところ、デコリンは3時間後から増加、ビグリカンは6、12、24時間後で顕著に増加を示し、グリコサミノグリカンに関しては合成増加の方向に作用すると考えられた。3・エラスチンの合成、分解系に関しては、エラスチンのmRNAは24時間後に増加、エラスターゼのmRNAは3、6、12時間後に減少し、エラスチン量増加の方向に作用すると考えられた。これらのUVA照射による細胞外基質成分のmRNA発現の変化は、光老化皮膚で組織学的に認められる変化とほぼ一致すると考えられ、さらにタンパクレベルでの検討を行う予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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