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1999 年度 実績報告書

創傷治癒における結合組織成長因子の発現と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 10770387
研究機関東京大学

研究代表者

林 伸和  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90272575)

キーワード創傷治癒 / 結合組織成長因子
研究概要

結合組織成長困子(CTGF)は,その生物学的活性として線維芽細胞に対して細胞増殖能,化学的遊走能をもち,細胞外マトリックスの産生を促進する物貿である.リコンビナント蛋白を新生マウスに皮下注射して肉芽の形成を見たことが知られでいた。これらの結果よりTGFβをトリガーとして発現したCTGFは、線維芽細胞により長時間発現し、肉芽形成により重要な働きをすると考えられる。今回の研究目的は,皮膚の創傷治癒におけるCTGFの役割を明確にし,またその臨床的応用を行なうための基礎実験を行うことであった。
最初にTGFβによるCTGFの誘導を蛋白レべルで解析した.その結果,TGF-β1,2,3のいずれでもCTGFの発現誘導をみとめた.次にマウス背部にトレパンで潰瘍を作成し,CTGFの発現およびTGFβの発現を調べた.実際の潰瘍では,CTGFは肉芽の形成が始まると同時に発現し,次第に発現か強くなり,上皮化が終わり,新たな肉芽形成が停まると同時に発現しなくなった.一方TCFβはいずれも長い間発現が続き,上皮化が終了しても認められた.この場合のTGFβは潜在型のものを感知している可能性もあるがいずれにしても上皮化後のTGFβ蛋白の局所での存在が確認された.CTGFは上皮化完了とともに発現がなくなり,肉芽形成とより直接関係していると推測された.最後にマウス背部にトレパンで潰瘍を作成し,潰瘍部分にリコンビナントCTGFを外用する事で創傷治癒の促進が認められるか否かを調べた.コントロールと上皮化の速度(潰瘍の縮小率)組織学的細胞外マトリックスの沈着量の比較を行ったが,明らかな差を認めなかった.その理由としては,創部に外用した時点でリコンビナントCTGFが変成してしまい作用を示さなくなること,CTGF単独では作用を示さず,何か他の困子が必要であることなどを考えた.この点に関して今後さらに検討を行いたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M,Kubo,N.Hayashi et al.: "Expresson of fibrogenic cytokines in desmoplastic malignant melanoma"British Jounal of Dermatology. 139. 192-197 (1998)

  • [文献書誌] A.Fgayashi,N.Hayashi et al.: "Differencial Exprossion of Connective Tissue Growth Factor Gene in Cutaneous Fibre histiocytic and vascular tumors"Journal of Cutaneours Pathology. 25. 143-148 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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