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1998 年度 実績報告書

ヒト皮膚癌株細胞の増殖・分化に対する各種薬剤の作用

研究課題

研究課題/領域番号 10770422
研究機関昭和大学

研究代表者

秋山 正基  昭和大学, 医学部, 講師 (80245852)

キーワードヒト皮膚癌株 / 有棘細胞癌株 / 扁平上皮癌株 / 増殖 / 分化 / 浸潤 / 転移
研究概要

我々の樹立した、原発性皮膚有棘細胞癌由来株SSCC-1と口腔粘膜原発扁平上皮癌皮膚転移巣由来株SSCC-2の2種類のヒト皮膚癌細胞株を用いて、癌の浸潤転移能と各種薬剤によるその抑制作用について検討した。
[in vivo]この両者をSCIDマウスに腹腔内投与したところ,SSCC-2の方がSSCC-1よりも皮下腫瘤を形成しやすい傾向がみられた。しかしブファリン単独投与、ブファリン・ブレオマイシン併用のいずれにおいても明かな皮下腫瘤形成抑制作用は認められなかった。
[in vitro]細胞集塊から遊離した個細胞のフラスコへの再接着の形態を比較すると、SSCC-1では,ほとんどの細胞が孤立性にフラスコへ再接着し,その後も再接着した細胞同士が接合する傾向は乏しかったが,SSCC-2では,当初から細胞同士が接合する傾向が強く、細胞が塊状にフラスコへ再接着した。再接着細胞の免疫組織学的検討ではSSCC-1で,集塊部分・遊離細胞ともにE-カドヘリンは一部に弱陽性であったが、SSCC-2では,集塊部分・遊離細胞ともにほとんど全ての細胞でE-カドへリンが強陽性を呈した。インボルクリンは集塊部分・遊離細胞ともにSSCC-1で強陽性、SSCC-2で弱陽性であったが、集塊部分と遊離細胞に差異はなかった。正常線維芽細胞への接着性はSSCC-2の方が有意に強かった。
[考案]癌の転移において、E-カドヘリンの発現が弱い腫瘍の方が原発巣から腫瘍細胞が遊離しやすい。しかし遊離した後はE-カドヘリンの発現が強い細胞の方が、細胞同士が接合しやすいため転移には有利に働くのではないかと考えた。細胞の遊離のしやすさと分化度には関連性はなかった。周辺組織(練維芽細胞)との接着性がよい方が転移しやすく、インテグリンの関与(未検索)が示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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