背景および目的:平成10年度では、光老化における脂腺増殖の発症機序を検討する目的で、培養ハムスター脂腺細胞に対する中波長紫外線の影響を、細胞増殖および脂質生成を指標としてin vitroで検討した。その結果、中波長紫外線は培養ハムスター脂腺細胞の細胞増殖および脂質生成を照射量依存性に増加させることが判明した。そこで平成11年度では、その作用機序について検討した。実際には、中波長紫外線照射により培養ハムスター脂腺細胞からinterleukin 1などのサイトカインが産生されるかどうか、またこれらのサイトカインが培養ハムスター脂腺細胞の細胞増殖および脂質生成に及ぼす影響についてin vitroで検討した。 結果: Iterleukin 1は、培養ハムスター脂腺細胞の細胞増殖および脂質生成を促進する結果が得られた。一方、中波長紫外線照射後の培養液中ではinterleukin 1は測定感度以下のため定量できなかった。またmRNAの発現の有無についてはPCR法にて現在検討中である。 考察および結論: 今回のin vitroの実験結果より、Interleukin 1が培養ハムスター脂腺細胞の細胞増殖および脂質生成を促進することが判明した。一方、中波長紫外線照射により培養ハムスター脂腺細胞からinterleukin 1が産生されるかどうかについては結論に至らなかった。現在検討中であるmRNAの発現の有無の実験結果待ちである。
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