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1998 年度 実績報告書

ヒト癌における核DNA量,増殖能,アポトーシスが予後に与える影響について

研究課題

研究課題/領域番号 10770432
研究機関弘前大学

研究代表者

青木 昌彦  弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70292141)

キーワードヒト癌 / 核DNA量 / 増殖能 / アポトーシス / 予後 / 放射線治療
研究概要

頭頸部扁平上皮癌について,フローサイトメトリー,およびTUNNEL法を用いて,腫瘍の核DNA量,増殖能,および細胞喪失に関与すると考えられるアポトーシスについて解析し,照射の効果や予後との関連性について検討を行なった.対象は,当院で放射線治療が行なわれた下咽頭癌18例で,年齢は44〜76歳,男女比は16対2であった.放射線治療は,1回2Gyの通常分割で行なわれ,総線量は60〜70Gyであった.局所一次効果は,CRが10例,PRが8例で,全例の5年累積生存率は14.8%であった.ploidy statusは,diploidが5例,aneuploidが13例であった.腫瘍の増殖能の指標となる%SF(S期細胞割合)は,3.6〜55.1%,平均24.8%であった.腫瘍細胞1000個中に含まれるアポトーシス細胞の割合(apoptotic index:AI)は,0〜144‰,平均26.8‰.であった.aneuploidの腫瘍は,AIと%SFが共に高く,diploidの腫瘍は,AIと%SFが共に低かった.しかし,AIと%SFには,明らかな関連性を認めなかった.一方,照射の効果と%SFには,明らかな関連性は認めなかったが,CR群に,aneuploidの腫瘍,およびAIの高い腫瘍が多く含まれていた.予後に関しては,AIの高い群は低い群と比較し,生存期間が長い傾向を認めたが,ploidy status,および%SFと予後との間には,明らかな関連性を認めなかった.今年度の研究の結果、aneuploidの腫瘍とdiploidの腫瘍の性格の違いは,増殖能と細胞喪失の違いと考えられ,aneuploidの腫瘍はdiploidの腫瘍と比較し,増殖能と細胞喪失が共に高かった.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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