1. 高信頼度化の方法 2-コンパートメント-2-パラメータモデルを対象として、組織放射能抽線(tTAC)の積分と、tTACとフレーム時刻との積に対する積分との比(R)が、k_2と一意に対応していることを、シミュレーションおよび臨床データの検討を通して確認した。従って、同様のRを有する画素を集め、この中でtTACを平均化することによって、画素単位でtTACに含まれる雑音を抑制しつつ、高速でK値に対するパラメトリック画像の作成が可能となった。 2. 処理系作成 本手法に基づく処理系を作成した。これを用いて処理を行った場合、128×128画素14フレームのデータに対して、概ね30秒程度の計算時間であり、従来の画素単位での推定の比較して、パラメータの推定精度は、20倍程度改善された。実際に、側頭葉癲癇の症例に関する、_<11>C-Flumazenil投与による臨床データを処理したところ、ディストリビューションボリュームの画像において、癲癇焦点を明確に描出することを得た。 3. 今後の予定 本手法を_<18>F-FDGの解析で多用される、3-コンパートメント-3-パラメータモデルに拡張したうえで、脳変性疾患を中心とした臨床画像に本手法を適用し、本手法の可用性を検討していく予定である。また、画素のクラスタリング方法に対して、統計モデルを導入することによって、クラスタリングの精度を向上を図る。
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