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1998 年度 実績報告書

プロトンMRSによるパニック障害患者の脳代謝の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10770443
研究機関鳥取大学

研究代表者

神波 雅之  鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (80271047)

キーワードパニック障害 / 磁気共鳴スペクトル / 脳 / 乳酸 / フルマゼニル
研究概要

1. 健常ボランティアにおける検討
健常ボランティア6名を対象として、左大脳半球の島・弁蓋〜被殻を含む部位に関心領域を設定し、フルマゼニル0.25mg静脈内投与前後のプロトン磁気共鳴スペクトルの測定を行った。フルマゼニル投与前後の不安尺度をVisual analog scaleにて評価した。同時に血中乳酸濃度、カテコラミン、コルチゾールの測定と心拍数の記録を行った。これらの精神心理学的、生化学的、生理学的データと磁気共鳴スペクトル所見の対比を行った。健常者においては全員フルマゼニル投与によりパニック発作は誘発されなかった。磁気共鳴スペクトルにおいては有意な脳内乳酸レベルの上昇を認めなかった。生化学的、生理学的データにも有意な変動は見られなかった。
2. パニック障害患者における検討
検査の同意をえたパニック障害患者17名において同様の測定を行った。8名においてパニック発作が誘発された。強い発作誘発によりその後の測定が出来なかった2名を除いた15名(発作誘発6名、発作非誘発9名)の測定結果を検討した。磁気共鳴スペクトルによる脳内乳酸レベルは健常者、パニック発作誘発患者、非誘発患者間で有意差を認めなかった。一方血中乳酸、カテコラミン、コルチゾールレベルにおいては有意差を認めた。
乳酸ナトリウム誘発パニックでは血中乳酸濃度と乖離した脳内乳酸レベルのびまん性上昇が報告されている。今回検討したフルマゼニル誘発パニックでは有意な脳内乳酸レベルの上昇を認めなかった。これよりパニック発作誘発刺激によって脳内乳酸代謝に及ぼす影響が異なることが示唆された。本研究の成果は第26回日本磁気共鳴医学会大会において発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 神波雅之、他: "フルマゼニル負荷プロトンMRSによるパニック障害患者の脳代謝変化の検討" 日本磁気共鳴医学会雑誌. 18・suppl. 152-152 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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