研究概要 |
健常ボランティア2名に対し,MRI撮像機器(GE社製ホライゾン)を用い冠動脈のMRアンギオグラフィを撮像。至適撮像条件を設定することにより比較的明瞭な冠動脈描出が得られた。現段階では,明瞭な描出は本幹3枝レベルまでであり,分技描出に関しては今後の課題である。つぎに得られたMRIデータより冠動脈データの抽出を行ったが,各水平断像よりマニュアルにて冠動脈部を選択しsmoothingを併用することにより,これを3次元データとして認識させた。現在は一部マニュアル処理も含まれているが,最終段階においては全て自動認識法として施行する予定である。つぎに同ボランティアに対しTc-99m標識心筋血流製剤を600MBq静注し,30分後より2検出器型ガンマカメラVERTEX(ADAC社製)を用い心電図同期心筋SPECTデータ収集を行った。ついでRI左室機能解析ソフトウェアQGSプログラムをもとに3次元左室機能像の作成を行った。さて両3次元画像の統合であるが,被験者に付けた3ポイントの体外マーカーを基準として行った。マーカー位置は胸骨下および両側肩甲骨下とし,MRI,SPECT用としてそれぞれアダラートカプセル,低被放射線量のTc-99m含有カプセルを用いた。両イメージデータをMOにより読み込み,パーソナルワークステーション(DELL社製Precision Workstation 410)上にて重ね合わせを行った。作成した3次元統合イメージ上ではMR冠動脈走行とRI左室イメージの乖離はみられず,位置情報としての統合精度は臨床応用に十分耐えうるものと考えられた。現段階では統合処理として一部マニュアル処理が含まれており正常ボランティアのみの検討であるが,今後の研究計画としては再現性,客観性に富む自動処理を完成させるとともに臨床例(心筋梗塞症例)に対し同法を施行し,臨床的有用性につき検討かつ確立させる予定である。
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