研究概要 |
気分障害患者に十分な説明を行い、同意書を得た後、研究を開始している。治療薬としてはセロトニン選択性が高いクロミプラミンを使用している。また重症度はハミルトンうつ病評価尺度を用いて評価して、薬物治療開始4週間後に、ハミルトンうつ病評価尺度が50%以上低下したものを反応群とし、それ以外を非反応群としている。 現在約40例が集積されているが、基本的には、クロミプラミン治療による反応群の方の症例数が多い。その後、採血を行いDNAを抽出し、PCR法を用いてセロトニントランスポーター遺伝子のプロモーター領酸の多型であるL alleleとS alleleの頻度を調べ、クロミプラミン反応群とクロミプラミン非反応詳において、その相関を検討しているが、現在のところ有意な差は見い出されていない。 今後、症例数を増やすと共に、治療薬についてはSSRIが使用できるようになった時点で、クロミプラミンからSSRIに変更し同様の検討を進めていく予定である。また、セロトニントランスポーター遺伝子のエキソンの領域を独自で設計したプライマーで切断し,SSCPおよびオートシークエンサーを用いて、セロトニントランスポーター遺伝子のエキソン領域における多型について、気分障害患者と健康成人において検討を加えることも試みる。
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