研究概要 |
同一白血病(FAB;M0)よりサイトカイン(IL3,SCF)依存性および自立性に増殖する白血病細胞2種類を樹立した。この2細胞の形態的は依存性細胞株では増殖するにもかかわらず全細胞の35%がアポトーシスの形態をとり死滅する。この2細胞間でmRNA発現程度に差がある遺伝子の同定をDifferential display(DD)法にて試み、自立性細胞に高発現を認めた遺伝子(R3-2)の一部(1.2kb)を同定しえた。このR3-2をプローブとして白血病細胞2種類につきNorthern法でも同様R3-2は自立性細胞に高発現(数100倍)を認めた。しかも、K562,HELおよびこの依存性細胞株はサイズが5.0kbであるが、自立性細胞株は4.5kbとサイズが変化していた。R3-2の一部(1.2kb)をホモロジー解析したところ、プロテアーゼインヒビターであるcalpastatinに62.3%ホモロジーを有していた。R3-2を既存のcalpastatinの塩基配列をもとにRT-PCRを行い塩基配列を随意時決定していったところ、一部エクソンがスプライシングアウトしているcalpastatinのアイソタイプであることがわかった。現在このcDNA全長をクローニングしており、このcalpastatinアイソタイプの機能をヒト白血病細胞K562,HL60等に遺伝子導入し、カゼイン蛋白分解活性抑制アポトーシスの比率などで検討中である。
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