中脳部面積を35例で経時的に測定した。うち、早期産AFD児を対象にした検討では、中脳部面積の生後の変化はHashimotoらの報告している胎児発育とほぼ同等の変化をすることが明らかとなった。染色体異常例で、MBAの低値が認められた。脳室周囲白質軟化症発症例には一定の傾向を認めず、周産期虚血性病変の評価には有用でないと考えられた。同時に測定した脳梁の前後径は測定値に脳梁形態に起因する個人差が大きく、絶対値での評価は不適であった。しかし、容易に安定した測定値が得られることにより、経時的な変化の評価には適していた。脳梁の変化率とその後の脳容積、発達との関連は今後の課題である。現在まで頭部MRIを新生児期と修正1歳時に14例で撮影したが、MRIによる脳容量計測とMBAの相関の検討(ピアソン検定を用いた)では、中脳部面積は受胎後週数35週で、平均2.12±0.16cm^2、受胎後週数40週で平均2.54±0.16cm^2、新生児期の脳容積は、大脳平均336.6±32.1cm^3、小脳平均24.4±5.0cm^3、修正1歳時、大脳730.1±81.5cm^3、小脳93.0±10.0cm^3であった。中脳部面積は35週時、40週時ともに1歳時の大脳容積と有意な相関を認めた(ともにp<0.05)。新生児期の脳容積および1歳時の小脳容積とは相関を認めなかった。中枢神経発育には有用な指標となる可能性があると考えられた。発達指数と中脳部面積、MRIによる脳容積との関連については今後検討をすすめる予定である。
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