研究概要 |
1. 目的 膵ランゲルハンス島(以下ラ島)移植における血管新生過程,およびそれに影響を及ぼす因子について検討することが本研究の目的である。 2. これまでの成果 同種同系ラット間で,ラ島腎臓被膜下移植を行ない,組織学的検討を行なった。 正常ラットおよび糖尿病ラットに対してラ島移植を行ない,移植ラ島の実体顕微鏡下観察,HE染色による検討を行なった。その結果,正常レシピエントでは,移植後2週間でラ島内に血管が再構築されたが,糖尿病レシピエントでは移植部位に出血や血腫を認めた。したがって,高血糖状態は血管再構築の障害因子であることが示唆された。 3. 今後の予定 高血糖状態での血管再構築障害について,より詳細な検討を行なうため,蛍光色素を含有したデキストラン加ゼラチンを潅流した標本のレーザー顕微鏡観察,三次元解析を行なう予定である。そのための基本手技研修を徳島大学臨床検査科にて行ない,現在標本作成中である。 また,移植片におけるVEGFや,最近発見された血管新生因子であるAngiopoietinなどの発現についても検討したいと考えている。
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