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1998 年度 実績報告書

腹膜播種制御への細胞生物学的アプローチ: 癌と間質との反応を抑制するサイトカイン遺伝子の腹膜中皮細胞への導入

研究課題

研究課題/領域番号 10770588
研究機関九州大学

研究代表者

内山 明彦  九州大学, 医学部, 助手 (20294936)

キーワード腹膜播種 / 中皮細胞 / Interferon
研究概要

本研究は、in vitroで同定された癌間質反応抑制サイトカインを、分離した腹膜中皮細胞に遺伝子導入し、これを体腔内に移入することにより、癌の腹膜播種を制御するという、新しい生物学的治療法を目指すものである。今年度の研究成果の概要は以下の如くである。
1.Interferon-γ(IFN-γ)遺伝子プラスミドの調製:IFN-γcDNAを組み込んだプラスミド(pBC12/RSV/IFN-γ)をJohn Wayne Cancer Institute(USA)のDr.Hoonより供与された。これを大腸菌を用いて大量調製することができた。
2. 中皮細胞の機能解析とサイトカイン遺伝子導入:
1) 中皮細胞のサイトカイン発現プロファイル:手術時に採取した大網より中皮細胞を分離培養し、各種サイトカインmRNAの発現をRT-PCR法により解析した。その結果、IL-6,IL-8 mRNAは培養中皮細胞に発現していたが、IFN-γmRNAの発現はみられなかった。従って、非刺戟下の中皮細胞ではIFN-γは産生されていないことが分かった。
2) 癌細胞の接着、浸潤に対するmesothelial barrier functionの解析:ヒト大網より分離した中皮細胞を培養し、24ウェルプレートとフィルターカップを用いたin vitroの腹膜播種、浸潤モデルを作成した。
KATO-3胃癌細胞とのcocultureでは、中皮細胞層が存在すると、胃癌細胞の接着、中皮層を越えた浸潤が有意に抑制されることが分かった。これにより、癌細胞に対するmesothelial barrier functionの意義が明らかとなった。
3)中皮細胞へのサイトカイン遺伝子導入:培養中皮細胞にIFN-γプラスミドをlopofectin法により遺伝子導入した。RT-PCR法により、IFN-γmRNAの発現が確認された。現在、ELISAによりIFN-γの産生量を測定中である。

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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