大腸癌におけるp53のユビキチン-プロテアソーム系による分解活性の検討を行うため以下の実験結果、成果を認めた。 1) 検体の採取 大腸癌、正常粘膜の生検組鐵、手術検体の一部を患者の承諾の上、15例のサンプリングを行った。これらを採取後、直ちに液体窒素にて凍結し、-80℃にて保存した。またの一部をホルマリン固定後、パラフィン包埋して得られた切片より病理組織学的に確定診断を行った。 2) P53変異の検討 -80℃にて保存した組織の一部よりDNAを抽出した。このDNA試料は、平成11年度にPCR-SSCP法あるいは、最近市販されたCFLP kitにより、P53遺伝子の塩基置換を検出する予定である。またP53蛋白質に対するモノクローナル抗体を用いて、パラフィン切片を免疫組滅化学的に染色した。染色したもののなかで変異は70%に認められた。 3) P53ユビキチン化反応の測定 -80℃にて凍結保存していたサンプルの一部より、来年度予定しているユビキチン化反応の測定の予備実験を行い、現在反応条件の設定等を検討している。
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