研究概要 |
開心術における心筋障害の程度を評価するために体外循環開始前,大動脈遮断後(15分間隔),体外循環離脱後の各h-FABP,CPK,CPK-MB,トロポニンI,トロポニンTを測定し検討しました. h-FABPは,心筋細胞の障害時に速やかに血中へ逸脱する蛋白であり,他の検査項目に比べ大動脈遮断時の虚血状態での反応をも鋭敏に繁栄していました. また,h-FABPの最大値は大動脈遮断後1時間と8時間の2峰性を示しており,反応の鋭敏さから大動脈遮断に伴う虚血と大動脈遮断解除に伴う再潅流障害が示された可能性が考えられました.今後症例を重ね検討していく予定です. さらに,h-FABPの反応の速やかさを考慮し心筋保護法につて検討していく予定です.
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